第5日目 7月12日(土)
オパティヤの夜明け  目覚ましは6時にかけていたのだが、4時半ごろ目が覚めた。カーテンをひくと空が白んできていたので、何枚か夜明けの写真を撮った。再びベッドに戻って、6時まで二度寝をした。
 6時に起きて空を見上げると、多少雲は出ているものの天気は上々。オパティヤは2連泊なので、パジャマ等の洗濯をした。

 7時に地下のレストランで朝食をとる。昨日、おとといの朝食からは数ランク落ちる。やはり最初に最高レベルのホテルに泊まってしまうと、贅沢に慣れてしまって後で困るなあ・・・。
 8時集合なので、少し早めにバスに向かう。今日はイストリア半島の終日観光で、海岸沿いの小さな町めぐりをするのだ。つまり海岸線のドライブになるので、せっかくなら海岸線の風景を楽しみたい。というわけで、バスの席取りのために早めに来たのだ。
 ちょうどバスの脇に添乗員の鈴木さんがいたので、どちらが海側になるのか教えてもらい、運転手のヴィジェットさんと、スルーガイドのトムさんに「ドブロユートロ!」(おはようございます)と挨拶をしてバスに乗り込んだ。

 ツアーが始まってもう5日。ツアー客の性格などが段々わかってくる。集合時間に必ず遅れてくるオバサマがいるのだが、その理由は「トイレ」。常にトイレのことばかり考えているので、少しでも遅く、そう出発ギリギリになってからトイレに行きたいのだ。そしてそうやって遅れてくるにもかかわらず、バスのいい席が空いていないと文句を言う・・・これが毎朝の日課となっていた。
 海岸線を南に進む。断崖絶壁のフィヨルドのような入り組んだ海岸線の眺めがとても美しい。 
 窓際は日がさすと非常に暑いのだが、カーテンを閉めてしまってはもったいないのでじりじり日に焼けるのを感じながらも、ずっと車窓の風景を眺めていた。

 10時にプーラに到着した。ローカルガイドのエドワルドさんと合流し、世界遺産となっている円形闘技場(アレーナ)を見学した。非常に保存状態のよい遺跡で、紀元前という途方もない時間の果てから佇む柱に触れると、なんだかとても不思議な気分になる。
プーラのアレーナ
 エドワルドさんの案内で二重門、ヘラクレス門、セルギウス門、娼婦街、ローマ時代のプールの床底(モザイク)、フォーラム広場、アウグストゥス神殿、市庁舎・・・など旧市街を一周した。
 12時に、アレーナのそばのレストランで昼食。アツアツのコロッケがおいしかった!
ロヴィニ  昼食後は、北に向かってドライブを続ける。
 14時にロヴィニに到着した。海に突き出した小島が旧市街となっており、その頂上にある聖エウフェミア教会へ向かったのだが、とにかく石灰岩の石畳はすべりやすく、足元に常に注意を払っていなければならなかった。
 下りの石畳は上りよりもさらに滑る。へっぴり腰になって、足元ばかり見ていたので、せっかくの路地裏の風景を楽しむことができなかった。

 港でフリータイム。晴れ渡った青い空、強い日差しを受けてキラキラと輝く紺碧の海、パステルカラーの建物・・・いつまでも見ていたい景色だった。
 ロヴィニを出発し、次は16時にポレッチに到着した。ローカルガイドのラッコ氏はトムさんの弟子(生徒)だったのだそうで、なんだか緊張気味だった。
 ラッコ氏の案内で、1997年に世界遺産に指定されたエウフラシウス・バシリカ教会を見学した。金色のモザイクが美しい教会だった。

 教会前で解散になったので、ふらふら土産物店などを覗きながら歩いていたところ、カフェのウェイターのおにーちゃんが声をかけてきた。どうも私が首から提げていたSONYのサイバーショット(一番小さい安いタイプ)に興味シンシンらしい。
 熱心に「見せてくれ」というので、首から紐は外さずに手に取らせてあげると、目を輝かせてデジカメをいじっている。そのうち、「これはいくらだ」と言うので、「3万円くらいだ」と答えたが、円ではイメージがわかないらしく、ドルならいくらだ、と聞いてくる。適当に計算して「250ドルくらい?」と言ったら、「300ドル出すから売ってくれ!」と懇願するように言われてしまった。
「これは私が使っているから売れないよー、ごめんね」と逃げ出すようにその店を離れた。
 ちょっと離れたところで振り返ると、おにーちゃんは財布を振り回している・・・よっぽど欲しかったのね・・・。
ポレッチの石畳
 まだ少し時間があったので、集合場所近くのカフェに入り、すぐ用意できそうなコーラを頼んだ。(しかしコーラなんて日本じゃ全然飲まないのに、旅行中では非常に無難な飲み物なので、つい頼んでしまう・・・)
 ウェイトレスの女の子に、「日本から来たの? 日本語でThank you は何て言うの?」と聞かれたので、「ありがとう」だと教えてあげたら、店のウェイトレス全員で「ありがとう」を念仏のように唱えて憶えようとしていた・・・

 今日訪問した町には公衆トイレがなかったので、どこでもカフェで何か飲んではトイレを借りていた。
 クロアチアのカフェで一番安く飲めるものといったら、エスプレッソである。(大体100円程度) 一般的に、コーヒー紅茶等には利尿作用があるので、飲めばトイレに行きたくなるものである。トイレに行きたいがためにコーヒーをのんで、そしてそのせいでまたトイレに行きたくなる・・・という何だかなーという悪循環にはまった1日だったような気がする。
ウチカ山脈を貫くトンネル  17時にポレッチを出発した。行きは海岸ルートだったが、帰りは近道の内陸ルートを走る。途中、クロアチアで2番目に長いウチカ山脈を貫くトンネル(5,062m)を抜けてオパティヤへと戻った。

 18時半にホテルに到着した。この日は夕食がフリーだったので、なんとなくツアー客ほぼ全員がぞろぞろと固まって町の中心部の方へ向かった。
 私は旅行前から、「クロアチアではシーフード・リゾット!」とずっと思っていた。ガイドブックに載っていた写真がとてもおいしそうだったし、クロアチアに旅行した人の旅行記を読むと、大抵の人がリゾットを食べていて、「おいしかった」と絶賛しているのだ。
 この地域はイタリア料理の影響が強い。以前、ローマで食べたリゾットのおいしさが忘れられないこともあり、ずっと楽しみにしていたのだが、残念ながらツアーに含まれる食事ではお目にかかれなかった。そのため、今日こそは!と妙に意気込んでいた。
 IさんはIさんで、「海のそばなんだから、シーフード系のおいしいパスタが食べたい」と言うので、同じくパスタを食べたいというTさんと共に3人で海沿いのイタリアン・レストランに入ることにした。
 クリーミーなリゾットは、しっかりと魚介の味がして、本当においしかった! 感動!
 食事は外のテーブルでいただいたのだが、ウィークエンドの町はとてもにぎやか。結婚式を挙げたカップル&出席者たちが、クラクションを鳴り響かせながら、ぐるぐる車で町を回っていた。

 食事後、私とIさんは海岸沿いの土産物店をのぞきに行った。Iさんは旅先でピアスを買うことにしているのだそうで、シルバー・アクセサリーのお店でピアスを物色していた。Iさんのお付き合いで、店内をぶらぶらしていた私は、ゾウさんのペンダントトップと目が合ってしまい(?)、なんだか買わなきゃいけないような気分になってしまった。約2,500円のこのゾウさん、四肢と首が動くようになっているのだが、すぐ顔が180度回転して背中側に回ってしまうのだった。「うおー、エクソシストー!」ということで、彼の名前は「エクゾウ君」になったのであった・・・。

 9時半ごろホテルに戻り、まずは風呂に入ることにしたが・・・なぜかバスタオルが4枚もあるのだが、バスマットも普通サイズのタオルもない。取り替えてもらう気力もないので、そのまま適当に使うことにした。
 その後はハガキを書いたりして、12時過ぎに就寝。



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