第10日目 7月17日(木)
 4時起床。まだ外は真っ暗。昨晩配られたオレンジジュースなどを飲みながら荷詰めを済ませた。
 5時半にホテルを出発し、6時ごろドブロブニク空港へ到着。スロベニアからずっと案内をしてくれた現地ガイドのトムさんとお別れし、クロアチア航空661便に搭乗した。

 約45分でザグレブへ到着。ガイドのセカさんに迎えられ、本日宿泊予定のシェラトンホテルへ向かった。
ザグレブ駅からまっすぐ伸びる広場
ザグレブ市内の公園
 ホテルのロビーで少々休憩して、9時ごろ市内観光開始。まずはバスの車窓から、主要な建物などの説明をうける。かつてハプスブルク家の支配下にあったこともあり、マリア・テレジア・イエローの国立劇場などにその面影を見ることができる。

 最初に、郊外にある「ミロゴイ墓地」へと向かった。「ミロゴイ」とは「静かな森」という意味なのだとか。蔦のからまった回廊はとても墓地には見えない。この墓地は「ヨーロッパで一番美しい墓地」と呼ばれているそうだ。
 市内へと戻り、バスを降りた。まずは13世紀に国王の自由都市(税金免除)となったという山の手の町を見学。北の門の跡から歩き始め、1355年創業の薬局、聖カタリナ教会(ピンクと白のかわいらしい教会。ウェディングに人気)、イエズス会修道院などを巡った。

 この山の手とイェラチッチ広場のある下の町とはかなり段差があり、ふたつの町をむすぶケーブルカーが走っている。(道路を歩いて降りることもできる)
 ケーブルカー乗場の脇から、町のパノラマ風景を写真に収めていたところ、ケーブルカーで下から上がってきたらしい日本人の若い女性2人組みが我々の方をみて、さもイヤそうに「信じられない!」と言った。そのまま2人でしゃべりながら歩き去ってしまったのだが、「うーん、何が『信じられない!』のかなー」としばし悩んでしまった。

  自分自身の経験を思い出すと、海外で日本人を見かけたとき、シチュエーションによって「嬉しい」時と、「なんかちょっとイヤ」な時があるのは事実だ。
 例えば、彼女たちは個人旅行風だったので、まだ日本人があまり訪れないザグレブに自力でやってきて、「おお、私たちここまで来たわ!」という充実感というか達成感を感じていたのかもしれない。そんな瞬間に、パックツアーの団体さんがノンキに記念写真を撮っている姿が目に入ったら、非常に脱力するかも・・・。まあ、あくまで私の想像にすぎないが。

 その後は、ナイーブアート美術館を見学。素朴な画風は日本人に人気があるらしく、美術館には日本語のパンフレットも用意されていた。
ナイーブアート
ナイーブアートの絵葉書
市場で買ったブラウス
市場で買ったブラウス
 屋根のタイルが美しい聖マルコ教会、聖母マリアの絵が祀られている石の門などを見ながらイェラチッチ広場へと向かった。クロアチア最大の教会である聖ステファン・カテドラルを見学したのち、約30分のフリータイムをもらったので市場をのぞきに行った。

 かわいいスモック風ブラウスをついつい衝動買い。日本円にして1,500円というところ。ヨーロッパでこういった市に出くわすと、新鮮なフルーツや色とりどりの花などを買いたくなるのだが、滞在型の旅行でもないかぎり見るだけで我慢しないと・・・。

 近くのレストランで昼食をとり、13時半にホテルへと戻った。午後はフリータイムなので、部屋にスーツケースが来るのを待って、14時半ごろ、IさんとTさんと一緒にザグレブ駅の地下にあるショッピングセンターへ行ってみた。都会によくある地下のショッピングモールといった感じで、人出もかなりのものだった。

 Iさんがネクタイの老舗である「クロアタ」を探していたのだが、どうもこの地下街にはショップがないようだったので、イェラチッチ広場の方にあるクロアタの本店に行くことにした。
ザグレブ駅
ザグレブ駅
 地球の歩き方の地図を見ながら店を探したのだが、ちっとも見つからない。広場の脇にあるインフォメーション・センターで場所を聞いたのだが、それでもまだ見つからない。


 炎天下のなか歩き回るのにも疲れ、お茶でもして帰ろうかと手近なカフェに向かう途中で偶然クロアタを発見。Iさんがネクタイ選びに悩んでいたので、3人で一緒になってあーだこーだと相談し、ようやく決まったネクタイを購入。

 あまりに暑いので、カフェのパラソルの下でコカ・コーラをすすっていると、募金活動なのか物乞いなのか判断のつかないような青年が、カフェのテーブルからテーブルへと歩き回っていた。あまりにもキレイだったスロベニアの街や、のんびりとした海沿いのリゾートとくらべると、ザグレブの街にはこのように多少影を感じる部分もあり、街歩きをする際にはいつもより緊張感を伴った。
パビリオン
パビリオン
 ホテルに戻って少し休憩し、18時45分ごろ3ブロック先のパビリオン内のレストランで夕食。生ピアノの演奏つきで、なかなかいい雰囲気だが、厨房に向かう通路の脇の棚に電子レンジが時々チンと鳴っていたのが気になる・・・。

 帰りは徒歩でホテルまで戻る。時計の針はもうすぐ21時を回るところだったが、まだ外は明るかった。



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