第11日目 7月18日(金)
 モーニング・コールは7時だったのだが、昨晩は疲れていたこともあり22時前に寝てしまったので、5時頃にはもう目が醒めていた。
 8時半にホテルを出発し、ザグレブ北方のザガリエ地方へと向かう。街を抜け、しばらく車を走らせると、延々と続く緑の丘に赤いレンガ屋根の家々が点在するのどかな田園風景が眼前に広がった。
 10時前にトラコスチャン城に到着。城は小高い丘(山?)の上に建っており、坂道を上って城内を見学した。
トラコスチャン城
城の入口付近で出会ったわんこ
トラコスチャン城
城の入口。城へはここから50mほど上っていく


 11時過ぎに城を出発し、またうねうね続く田舎道をドライブ。今回の旅行では、海の景色も山の景色も見ることができ、またそれらが非常に美しいので車窓の風景を見ていて飽きることがない。
ベジャネッツのアルパカ
お昼寝中?なアルパカ

 12時過ぎにベジャネッツというシャトー・ホテルに到着した。17世紀の城を改装したもので、ルレ・エ・シャトーに加盟している五つ星ホテルなのだそうだ。バスを降りると、青々とした草の茂る囲い地の中で、アルパカが2頭ひっくり返って寝ているのが見えた。

 まずは地下のワインセラーでワインの試飲。ひんやりとした穴倉には、数え切れないほどのワインが寝かせられていた。これらのほとんどは、ホテルのオーナーの個人的なコレクションなのだそうだ。

 ホテルの1室にしつらえられた席で、この旅行中一番(と私は思う)の食事をいただいた。味はもちろん最高で、なおかつ見た目がきれいで可愛らしいのだ。ハート型のコロッケ、デザートのお皿にソースで描かれたバラの絵、そして「YOUKOSO(ようこそ)」というメッセージ!

 お城の雰囲気も、ホテルスタッフの対応も最高で、豪華だけどリラックスできる。こういった田舎にある小規模のお城ホテルが大好きな私は、すっかりこのホテルが気に入ってしまった。が、さすがにここを再訪するのは難しいだろうなあ・・・と思いつつバスに戻った。
ベジャネッツ
レセプションでクマさんのご挨拶!?
 食事をゆっくり取ったので、出発したのは14時を回ったころだった。田舎道のドライブを続け、途中、ヴェリキ・タボール城の近くでフォトストップ。
 この城には悲恋の伝説が伝えられている。城主の息子と村娘が恋に落ち、駆け落ちをした。しかし、結局は城主の追っ手に捕らわれてしまった。村娘ヴェロニカは、城主の息子をたぶらかした罪の罰として、城壁に塗り込められてしまったのだという。
クムロベツ
クムロベツ

 ツアー客から内部の見学はできないのか、今は誰の所有なのかといった質問が出た。現地ガイドさんによると、以前は城主のラトカイ伯爵家の所有だったのだが、近年抗うつ剤を作って大金持ちになった医者が購入したらしい。

 こんな話をしていたところ、バスのドライバーさんが現地ガイドさんに何か話しかけた。曰く、ドライバーさんがよく読むゴシップ紙によると、このお医者さんは奥さんを次々に変えているのだそうで、現在の奥さんは6人目なのだとか・・・
 15時にクムロベツに到着し、1時間ほど見学した。ここは19世紀のザガリエ地方の家々を保存した民族村のようなものである。添乗員さん曰く、「クロアチア版明治村」。とはいえ、そう大規模なものではなく、「民家園」といった規模である。
 私たち以外の客はほとんど見かけず、こぢんまりとした田舎の村をのんびり散歩した。

 16時過ぎにクムロベツを出発し、17時半ごろホテルに到着した。これといって用事はなかったのだが、観光最終日ということもあり、まだまだ外が明るいのに部屋に戻ってしまうのがもったいない気分だった。
クムロベツ
ザガリエ地方ではとうもろこし畑ばかり見かけたが、
これは食用ではなく飼料用なのだとか


 なんとなくロビーで「どうしようかな〜」とうろうろしていたところ、同じツアーの奥様方が「これからトラムに乗ってみようかと思うんだけど、一緒にどう?」と誘ってくださった。添乗員の鈴木さんもイェラチッチ広場の方に用事があるとのことで、連れて行ってくれるのだという。
 せっかくなのでご一緒させていただくことにして、ホテル前の乗場からトラムで広場まで向かった。広場までは歩ける距離ではあるのだが、トラムに乗ったのは初めてだったので、自分的にはそれなりに面白い経験だった。・・・もちろん、日本国内では路面電車(いわゆるチンチン電車というやつ)に乗ったことはあって、どうもクラシックな印象がつきまとっていたのだが、トラムにはそんな郷愁的な雰囲気はなかった。要は普通のバスとか電車と一緒なのだから。

 広場に到着したところで、鈴木さんは書店へ、奥様2人はデパートへ行くとのことだった。デパートにお付き合いしたら、きっと長くなりそうだな・・・と思ったので、そこで別れて、ギャラリーなどをちょっと見た後、今度は歩いてホテルへ戻った。

 19時半にホテルのレストランでビュッフェの夕食をとった。お昼においしいご飯をたくさん食べたので、あまりお腹がすいていなかったこともあり、ちょこちょこと野菜類などをいただいた。こういう場合、量の調節がきくので、ビュッフェはありがたい。

 クロアチアのお金が中途半端に残っていたので、ホテルの売店で土産物になりそうなものを2〜3個購入した。21時ごろ部屋に戻り、シャワーを済ませてから荷詰めを始めたが、のろのろやっていたので、結局23時くらいまでかかってしまった。明日でこの国ともお別れだと思うと、なんだかやる気がおきなかったのだ。



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