White House ホワイト・ハウス (イギリス・ロンドン) Albany St., London NW1 3UP, U.K. |
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1999年7月宿泊。 Regent's Park の隣に位置した、中級クラスのホテル。 最寄り駅は Great Portland Street あるいはRegent's Park の2駅。いずれの駅からも徒歩2〜3分である。 Oxford Streetまでは1駅なので、歩こうと思えば歩ける範囲内である。 とにかく Regent's Park のすぐ隣なので、時間がある人は、花の美しい夏季は、朝に晩にと散歩するのも気持ちがよいと思う。 |
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このホテルにはロンドンに到着後1泊、そして郊外への旅行後、再びロンドンに戻ってきた時に2泊した。 最初に泊まったのは、上段の写真の部屋である。ベッドと小さなテーブル&ソファが置かれている他にはほとんど余分な空間のない(=つまり狭い)部屋だった。 で、郊外から戻ってきた後の部屋が下段の部屋である。部屋の位置、広さといった点が、ビミョーにランク・アップしている。 |
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それは何故か。 郊外から帰ってきた私と友達は、重い荷物を引きずってチェックインを済ませた。 が、ベル・ボーイがいなかったので、ずりずり自分たちで荷物をひきずって、あてがわれた部屋まで向かったのだ。 カード・キーを挿してドアをあけたところ、何か様子がおかしい。 カーテンは閉まって真っ暗、おまけにラジオの音がする。 「お掃除の人が消し忘れたのかな?」と思いつつ、部屋に入ったところ・・・なんと片方のベッドが盛り上がっている! つまり誰かが寝ているのだー! |
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ぎょえーーーー! 私は声にならない悲鳴を心の中で上げた。 私に続いて部屋に入ろうとした友人が、私の妙な様子に気づいたようだが、彼女が声を出す前に私は「しーーーっ!」というジェスチャーをして、物音をたてないようにそーっと部屋から逃げ出した。 「なにー、どうしたのよ」と怪訝な顔をする友人に、「人、人、誰か、寝てる」としか言えない。 「フロントに言わなきゃね」という私に、「じゃあ私、荷物見てるから」と答える友人。 ・・・てことはなにかい? 私に1人で行けというわけね? 友人はさっさとキャリーバッグを2つ引きずって、エレベーターホールのソファに陣取ってしまう。 ・・・ああ、友情というのは、こういうときに少しずつ欠けていくのだわ・・・と交渉役を無言で押し付けられた私は、いじけながらひとりフロントへ向かった。 さて・・・なんて言おう。 中学生英語の域をまったく出ないうえに、特に「会話」が苦手な私である。「読み」はともかく、なにかしゃべろうとすると、すぐに頭が真っ白になってしまうのである。 そこで、ふと思い出したのが、大学時代の教授の雑談。 教授の知人(ほとんど英語が話せない)が、海外のホテルで、ルーム・キーをもたずに部屋を出てしまい、閉め出されてしまった時に、「Key in, me out!」と言って、それで通じた・・・という話である。 そう、要は言いたいことが伝わればよいのだ! そこで私は、さきほどチェックインを担当してくれたオネーサンのところへ向かい、カード・キーをつきだして、こう言った。 「Another person in the room!」(注:他の人が部屋にいる、と言いたかった・・・) オネーサンは怪訝そうな顔をして、「Another person?」と聞き返したので、うんうんうなずきながら「Another person」ともう一度繰り返した。さらにオネーサンは「Really?」と聞くので、またもやうんうんうなずきながら、「Yes」と答えた。 その後、オネーサンは端末をぱたぱた叩いたり、ルーム・メイクの人に確認の電話をしたり・・・とした後に、「I'm sorry」と詫びながら、別のキーを渡してくれたのである。 そしてあてがわれた新しい部屋が、下段のちょっとランクアップした部屋だった・・・というわけなのだ。 それにしても、その部屋の客が寝ていたからいいようなものの、ここは海外なのだから、下手したら強盗と間違えられて撃たれたっておかしくないシチュエーションである。あー怖い怖い・・・ ああ・・・通じてよかった・・・ていうか、単語でもなんでも、意思が伝わればいいんだ・・・ この「Another person in the room! 事件」を経験した私は、「英語が話せなくても、個人旅行は可能だ!」と妙な自信をつけ、翌年の秋、初の一人旅に挑戦(?)することになるのである・・・ |