オンワード・アガニア・ビーチ・ホテル

(グアム)



 友達から電話がかかってきた。
「ねえ、7月にグアムに行かない?」
 その夏は特に予定がなかったため、その誘いに乗ることにした。
 
 次の週末、駅に併設されている旅行代理店の前で待ち合わせ、パンフレットを漁り、その場で申し込みまで済ませた。
 4泊5日で7万円台だったかの安めのツアーだったが、一応ホテルだけは指定した。
 海から遠いホテルは嫌だったため、その希望と予算のおりあう、オンワード・アガニア・ビーチ・ホテルを選んだ。当時、まだオープンからそう時間がたっていなかったため、部屋の写真等もきれいだった。
 ・・・ただし、高額のツアーと違い、「海側の部屋指定」なんてのはなかった。これはかなり分の悪い賭けである。
 
 さて、真夜中にグアムに着いた。
 部屋のキーを受け取り、部屋へ向かった。
 暗闇の中の到着だったし、方向感覚がイマイチだったので、廊下の左右、どちらが海側の部屋なのかはまったくわからなかった。
 私たちの前には、イチャイチャ、ベタベタ(笑)なカップルが歩いていた。
 彼らは左側の部屋へ。そして、私たちは右側の部屋へ。
 私は真っ先に窓へと向かい、バッとカーテンを開けた。
 
 ・・・そこに広がっていたのは・・・海だった。
 ホテルの明かりでほの暗く浮かんだそれは、まぎれもなく海だった。
 
私たちは勝利したのだ!(←一体何に?)
 
私と友人は、勝ち誇った気分で、仁王立ちのまま、暗い海を眺め続けた。

 さて、翌朝。
 カーテンを引くと、青い空と青い海が眼前に広がっていた。感動の一瞬。
 うはー、グアムだぜ!
 うきうきしながら、ポットで湯をわかし、朝食の準備を始める。
「今日はどれにしようかな〜」
 取り出したるは・・・日本から持参したカップ焼きそば(汗)、そして、ペットボトルのウーロン茶。

 実は、前年にもグアムに来ていた友人は、食費があまりにも高くついたため、
「ゆりこさん、外食は1日1回までよ! あとは日本から持ってくからね!」
 と出発前に私に電話をかけてきていたのであった。
 故に、我々のスーツケースの中には、ペットボトルやインスタントラーメン、缶詰やらが詰め込まれていたのであった。

「朝からカップ焼きそば食べたのなんて、私初めてだよ〜」
 ずるずる焼きそばをすすりながら、その日のスケジュールを組み立てた。
 午前の日差しの弱いうちは海へ。
 午後は買い物へ。
 
 というわけで、朝食を終えると、いそいそとエレベータで1階へと降りた。
 扉をあけて、外へと出れば、もうそこは白い砂の広がるビーチ!だった。
 確かに海だった。
 でも。
 ・・・ここ、江の島? それとも熱海?
 そこにいるのは日本人だらけ。それも、じーちゃんばーちゃんからお孫さんまで、一族郎党大集合という様相である。
 
 さすが、グアム。
 飛行機で、たった4時間。日本語は通じるし。
 海はきれいで、歴史の勉強もできるし、買い物も堪能できるし。
 日本人には、かゆいところに手が届く南国リゾートと言えましょう。

 

 

 
 
オンワード・アガニア・ビーチ・ホテル アガニア湾
リゾートホテルらしく、広々としています。
バルコニー付。
ホテルの部屋から。遠浅の海。
海側ではない部屋からの眺めは、岩山です。